TED2 ネタバレ有り考察

2015年8月28日
公開初日の9:20字幕版にてTED2を拝見。

各種論評が飛び交っているが、
本稿ではそれら主観を除き、考察部分にのみ特化する。

後半からネタバレを含むため、
『アメリカ文化ネタ各種』までで留めておいていただきたい。

はじめに

まず1回の視聴で感じたのは2点。
1.「人によって笑いのツボが明らかに異なる」・・・下ネタ、人種ネタに分類
2.「映画知識と国際教養が必要な箇所がある」・・・映画ネタ、アメリカ文化ネタ

1.下ネタ・人種ネタについてはその内容如何で引く人もいるだろう。
(ex. 精子ぶっかけ 黒人奴隷問題、白ニガ等)

本稿の意味合いは
「実は笑えるところ」
「実はこんな意味を含んでいる場面」
という部分に言及・解説を施すことを目的とする。

下ネタ部については、その掛け合いや勢い如何で純粋に笑たら良い。
なかにはそれを受け入れられない場合もあって当然。

前作がJKに馬鹿ウケとよく耳にするが、
今回の下ネタは、より大人向け。
くわえて人種ネタが同量ほど存在する。

以上のことから、10~30代の日本気質でこれを視聴すると酷評もあるだろう。

なぜなら、その時々のセリフが意外と高度(?)だからかも知れない。
予備知識を要することがしばしばあるからかも知れない。

そんなTEDファンのために以下に記すのは、
主に人種・映画・文化ネタについて、である。

なお引用部・参考部においてはそれを明記するものとする。

何故TEDの人権問題が中心になったか

TED1作目の後、監督セス・マクファーレン氏は
『荒野はつらいよ』という西部劇を制作。
ここでリーアム・ニーソンも抜擢されているが、問題はそこではない。

その制作中、舞台背景として南北戦争について時代背景を調べることとなる。

すると南部には奴隷制度があり、北部にはそれがなかったと判明。

その南部にいた奴隷民が北部に行き、人としての権利を主張した。
ところがその奴隷の主人がこれを拒否。
奴隷が人か持ち物かで裁判となり、結果、奴隷民の自由が認められなかった史実がある。

参照: Writerzlab

これは俗に言う1857年 ドレッド・スコット裁判を指す。

1700年後半からを言えば、北部は工業が発達し労働者を欲していた。
ところが個人の所有物であれば、それは雇い入れない。
南部の農民たちを雇うには、奴隷制度を撤廃するしかなかった。

1800年中盤、この奴隷解放の先導にたったのが共和党であり、
その代表として1861~1865年に選出されたのがエイブラハム・リンカーンである。

1700年~1900年の泥臭いアメリカを知っていると、
劇中の裁判が「おお、掘り返してるな」と思える。

アメリカ文化ネタ各種

この項は極力、ネタバレを防いでいる。
あくまでも、TED2の舞台背景として知っておくと良いと感じた部分を列挙。

1.公園で飲んでいる缶飲料に紙袋
ted2-001

地方条例など、公共の場所での飲酒が一部で禁止されているため。
合衆国憲法での禁酒法は修正された。

この場面が公園なため、公に飲めず、缶の銘柄を伏せているというジョーク。

2.ジェイ・レノ

日本で言う、みのもんた・島田紳助といった大御所司会者が近い存在か。
本名でのカメオ(特別)出演。エンドロールでも役者”Himself”とされている。

3.NFL選手トム・ブレイディの出演

2014年のシーズン・オフで規定以下の空気圧のボールを使用したとして
開幕から4試合の出場停止処分を受けた。

この不正疑惑にブレイディ本人は否定していた。
そこからジョンのセリフへと繋がる。

ちなみにトムネタは1作目にも出ている。

4.リーアム・ニーソンのカメオ出演

彼の登場でどよめくか否か、日本の劇場では真っ二つに分かれると思われる。
そもそも私が視聴した館は平日の朝一、字幕だったので小生含め5組しか居なかった。
「こいつは誰だ」という感じでとても静かだったのが印象的。

彼は『96時間』の主人公。
娘のためなら老若男女をいとも簡単に殺める世界一怖いパパ。
どこで登場するかは見つけて欲しい。

※詳しくは後述。

5.ハズブロ社

トランスフォーマーのアクションフィギュアやTEDのぬいぐるみを制作する実法人。
CEO役にジョン・キャロル・リンチ。
ドニーに彼は誰かと尋ねたとき「マテル社の社長だ」と言う。

これはハズブロ社と双璧をなすアメリカの玩具メーカー。
バービー人形の会社と言えば分かりやすいか。

6.白ニガ

そもそもニガーは黒人に対する蔑称である。聞き間違えられると殴られるレベル。
ここから転用されて、特権や特別扱いのない白人を指して使うスラング。
怠惰で無能な白人野郎、そんな意味を持っている。

6.今作ヒロイン、サマンサが無料弁護士な理由

司法試験合格後、プロボノ(社会貢献)として無報酬の活動を行っているため。
2000年ごろから隆起した制度、いわばスキル・経験のためのボランティア活動。
アメリカ法曹協会では年50時間以上のプロボノ活動が推奨されている。

次頁はネタバレを含む考察があります。
劇場でご覧になった方のみお進みください。