EVGA GTX960 をしばく

2015年2月、久々の「しばく」シリーズを執筆。

待望のGM206ことGTX960が2015年1月22日にローンチ。

GTX970の3.5GB問題、もといL2キャッシュ問題を横目に
ミドルクラスのフルダイに食指がのびた。

そこで、アメリカ市場の想定売価$199を輸入したらどうなるか、
そしてZ97環境でしばいてみたらどうか、をそれぞれレポートする。

1. 円安の中で輸入

そこで私がチョイスしたのがEVGA GTX960 SSC

GTX960 SSC 01

購入時点では117.8円/ドルの相場。
単純計算すると日本円で23,442円になる。

ローンチ当日の日本売価は28,900円〜35,980円とほぼ予想通りであった。
円安相場を加味しても、「お布施」は年々増えているように思われる。

そこで。

お布施してもどうせ1年保証ならと、米国AmazonからEVGA社製を購入。

明細は次の表のとおりである。

本体価格 $209.99
国際送料 $12.89
関税デポジット $17.84
総計 $240.81
決済時 日本円 29,346円

安くない。あんちゃん全然安くないよ!

為替手数料が入り121.86円/ドル換算となるため、強烈脱糞レベルの相場となる。

言い訳をすれば、EVGAだから3年保証。
加えて日本市場の最安値と変わらないので良しとする。

なお、後日 関税デポジットからの余剰返金があった。
$9.59 日本円で1,169円だった。
121.89円/ドル換算での返金となり、結果 送料込28,177円で購入したことになる。

2.外観をねぶる

EVGA GTX960は執筆時点で4種存在する。
上からブーストクロック1367MHzのFTW(バックプレート付)
次に同1342MHzのSSC (SuperSuperClocked)
全長172.72mmのシングルファン仕様SC(SuperClocked)
そしてブースト1178MHzの無印品。

今回 FTWが未発売(恐らくチップ選定品ゆえ遅れてのローンチ)のため、
以下画像はSSCのものである。

GTX960カード外観
GTX960 SSC 04
カード裏面のシリアルNo.が記載されたシールはWarrantyを兼ねる。
そのため「剥がしたら保証対象外」となる点に注意されたし。
GTX960 SSC 05
接続端子はガイダンス通り。
1×DVI-I、1×DisplayPort(1.2)、3×HDMI(2.0)

SC以外全て開放型2連ファンで、8pin補助電源を要する。

ちなみにメモリチップの空き枠はカード表裏とも1枚ずつ。
ここに4Gb×2=8Gb=1GBの増量となる。

昨今、話題となっているGTX960 4GBモデルは実現性が薄い。
ほとんどのメーカーでチップの空き枠は2つ。

基板設計上、登場することになるのはメモリ3GB版と予想されるが
それによってメモリスピードが上がることは無いので、さしてメリットが無い。

3/11追記。この3月初旬にして続々と4GBモデルがローンチされ始めた。1GBの空きチップ基板は何だったのか?そもそもL2キャッシュすらGTX980の半分しかないにも関わらず
メモリ4GBフル活用したところで足がもたつくと思うのだが…いずれにせよGTX960に4GBも不要であると感じる。
ならばいっそGTX970へステップアップした方が賢明だ。

 

 

EVGA GTX960 SSC スペックシート
全高111.15mm 全長256.5mm
ベースクロック1279MHz ブーストクロック1342MHz
メモリークロック7010MHz相当 メモリースピード0.28ns
メモリーバンドワイド112.16GB/s
電源 6+2フェーズ
出力端子 DVI-I x1 HDMI(2.0) x1 DisplayPort(1.2) x3

特徴的なのはBIOSを2機搭載している点。
一つはdBiと呼ばれる準ファンレス仕様。
コア60度未満でファンが停止。

もう一つはSSCモード、ファン常時回転仕様である。

分解画像
出典:TechPowerUP
出典:TechPowerUP
チラリと見えるアンヨが美しい。
8mm径の銅製ヒートパイプが3本。
これを冷やすのがダブルボールベアリングのファン。
出典元:TechPowerUP
出典元:TechPowerUP
さらに基板とファンの間にもう一枚の板が見受けられる。
これはMMCP(Memory MOSFET Cooling Plate)と呼称する冷却板。
これの有無で、メモリー9度、MOSFET11度の差が出ると謳っている。
見るからに補強板としても一役買っていそうではある。

ねぶるに値する、素晴らしい体躯である。

3. GTX960をしばく

いよいよここからは各種ベンチへ。
私の過去の構成と比較したものをグラフ化してみた。

なお、直近のGPUとの比較には4Gamer様より数値を拝借している。

※計測時点のスペックは大きく異なる。
CPUやメモリの依存度をなくすため、
CPU4.0GHz メモリ2133MHzで統一したデータを抽出している。

なお、GTX960はブースト時が下記スペックとなるようOCしている。

CPU Intel Core i7 4770K @4.0GHz 1.12V
Mobo EVGA Z97 FTW
MEM CMT16GX3M4X2133C9 4GB×2 @2133MHz CL9
2133MHz 9-11-10-27
GPU EVGA GTX960 SSC OC済
Core:1513MHz Mem:2008MHz

OCした理由として、GTX770[メモリ強化版GTX680]や
R9 280X[リネームされたHD7970 GE]にどこまで迫れるか。

それを検証するためとする。
なおGTX770およびR9 280X、GTX760の各データは4Gamerさんより引用。

では、まずはDX9世代から。

FINAL FANTASY XIV ARR キャラクター編 1920*1080 最高品質
FFXIVcharactor10818
フルHD最高品質でスコア10,000超え
GTX760を超えGTX770とR9 280Xにも肉薄
FF14 ARR 2015
こちらは4Gamerさんのデータと照らし合わせたもの。
他のReviewサイトより幾分高いデータのため、GTX770とR9 280Xにも後塵を拝す。

とは言え、フルHD(1920×1080)であれば失速もない。

3DMark 06
3DMark06 2015
過去のデータとの比較。
歴代Radeon勢と比べてもDX9においてリード出来たのは意外だった。
同じ4770KでGTX TITAN や GTX660を装着していたが、そのデータを取っておらず。

 

モンスターハンターフロンティア
MHF 201502
CPUとメモリの差異が大きいため、一概には言えないのでご参考に。
それでもNehalem世代のカリカリ仕様と比べ103.3%の結果はなかなか。
これがわずか標準で6pin×1(EVGAは8pin×1)で達成しているのだから、
その省電力性能は目を見張るものがある。

次にDX10世代のテスト。

3DMark Vantage
3DMarkVan 201502
今回のみ8スレッド駆動のためCPU値が跳ね上がってしまった。
注目すべきはGPU性能だろう。
予想通りGTX960 OC版はHD7970GE(≒R9 280X)と双璧をなす。

この辺りから描画レベルが高くなるものの、フルHDでは息切れの素振りも無し。

最後にDX11世代。

3DMark Fire Strike
3DMarkFS
こちらも4Gamer様より拝借。
GTX770比102.7%、R9 280X比101%と優秀な成績。

 

各レビューサイトではGTX760やR9 280との比較記事が目立つ。
ノーマル状態で使うならばそこが置き換え範囲だから当然そうなのだが。

電圧を上げずに行うプチOCであれば、
もう1段引き上げたGTX770、R9 280Xの置き換えと捉える事も出来る。

当然、同等性能のため、買い換え需要としては
HD5800台~HD6970、GTX500台~GTX670だろう。

GTX970のL2キャッシュ問題で揺れていた最中のレビューであるが
実害が無いのであれば、GTX960もしくはGTX970がオススメしやすい。

これだけOCしていてもPrecisionX上でのGPU温度は40~42度前後。
熱設計の面でも過去のGPUを置き去りにするレベル。

唯一の不満は代理店の1年短命保証+1万円近いボッタクリお布施。
せめて選別品が3万円を切るくらいになればと願う。
そうなるまでは、EVGAを今後も取り寄せることになるだろう。