【1】PCケーブル スリーブ化

■2012年12月

先日Seasonic SS-1000XPなるプラチナ電源を購入。
新PC構築に向けて全ケーブルのスリーブ化を実施。
その手順の一部始終をここに記します。

本項では、その準備編と題して、使用する電源から準備した工具をご紹介。

まずはSS-1000XPについて。
ここからは電源側のコネクタを「ATX側」(英語圏ではPSUと言う方が正解)、
PC側のコネクタを「PC側」と呼称することをご理解下さい。

Seasonic SS-1000XP 外観
SONY DSC
初のプラチナ君。
80 Plus Platinum は負荷50%時で、変換効率94%。
排熱の心配がほとんど無い。
+12V 脅威の1系統83A。
Seasonic SS-1000XP 002
ATX側のコネクタ数がイレギュラー満載。
この電源に対応するよう、新たにスリーブケーブルを作成していく。

ちなみに、ここで3つの留意点にブチ当たる。

一つ。
ATX側、接続コネクタの変則性。
例えばPC側20+4pinのマザー主電源が、ATX側では18+10pinになっている。
既存のコネクタが流用できない。

二つ。
VGAケーブルがニコイチであること。
6+2pinのケーブルが2本1セットになっている。
150W以上のグラボ装着を前提とした設計。なんとも潔い。

三つ。
80 Plus Gold クラスの電源よりも、明らかに「太い電線」を使用している。
詳しくはピンアサインをご覧頂きたい。
この補強のおかげで、今回は半分以上の電線は変更していない。

ATX 20+4 pin
VGA (6+2)*2 pin
ATX 12V 4+4 pin

さて、いよいよスリーブ化の準備について。

私の持論だが、『美しさは工具と精密さで決まる』をもとに
以下に使用した工具を記しておきます。
電線変更を伴わない場合、不要なものもあります。

ピン・リムーバー。
メジャー。
デジタルノギス。
ニッパー。
ハサミ。
ライター。
最低限これだけあれば、スリーブ化の作業効率を上げられる。
かつ美しく仕上げる事が可能。

ニッパーと言っても、蓄音機に耳を傾ける犬のことではない。
要注意。

用意したもの
■スリーブケーブル 今回は、世界で名だたるMDPC-X様より購入。
Paypalによる支払い。
輸入の際、ドイツ時間の開店中に購入しなくてはならない。
※日本時間-8時間がドイツ時刻
全20種類のカラーから選んだのは以下の2色。
■SHADE 19・・・濃いグレー
■TITANIUM GREY・・・薄いグレー
MDPC-X Sleeve Cable
この2色をチョイスした動機。
電源、マザーボードの色調を尊重するため。
完成時のテーマは「モノクロ4階調」です。
色モノ、光モノをなくした欧州PCを規範とする。
■ヒートシュリンク スリーブケーブルの両端を覆うためのもの。
熱収縮チューブのこと。
こちらもMDPC-X様より購入。
MDPC-X Heat Shrink
■ピン・リムーバー こちらはオリオスペック様より購入。
コネクタ部から1つずつピンを抜き出す便利アイテム。
これがあるだけで作業が捗る逸品。
ピン リムーバー
■ワイヤー・ストリッパー ケーブル皮膜剥ぎ。
正確には、エンジニア・ストリッパーというそう。
ちがう皮を剥くことは出来ません、あしからず。
今回は日本のヴェッセル製E3500-1を使用。
ケーブルを切断して長さを調整したとき用。
ベッセル ワイヤーストリッパー
■MDPC Crimping Tool 名前の通り、こちらもMDPC-X様より購入。
いわゆるかしめ。精密圧着ペンチ。
これで端子をケーブルに接続する。
皮膜部分と端子部分の2カ所を同時に圧着できる。
端子を再設計しないならば不要。
MDPC-X 電装圧着工具
■電装圧着工具その2 もう一つかしめ。
皮膜部分と端子部分を個別に圧着するため。
ちょっとお高めです。
が、こちらも端子を再設計しないならば不要。
こちらはエンジニア製、めちゃくちゃ高精度。
エンジニア製 精密圧着ペンチ PA-21
■デジタルノギス 0.01mm単位で測定。
誤差は±0.03mm
スリーブケーブル&ヒートシュリンクを極力正確にカットするため。
なくてもやれない事はないが品質第一で用意。
器差が0.1~0.5mmのモノはオススメしない。
どう使うかは次項にゆずる。
シンワ デジタルノギス 15.000cm ホールド機能付き
■メジャースケール タジマ製。
コンベックス スラントレベルコンベ19。
ケーブル類の全長測定に使用。
タジマ スラントレベルコンベ19

本項の準備編はここまで。
次項より、実際にケーブルをスリーブ化していきます。

ちなみに、このプラチナ電源。
コルセア他、数多のOEMを手がけるシーソニック社の電源。
全長を小型化した、660~860W仕様の製品もようやく出始めた。

型番XP2の3機種は、全て寸法 150*160*86(mm)に収めてきた。
これはCorsair社のAX760等にもOEM提供している。
2012年を代表するベストオブATX。

マニアックに語るならば、日本ケミコンのKMRシリーズに
Infineon製のMOSFET、IPW60R199CPを搭載。
山洋製120mm角ファン 9S1212F404と無敵の鉄板コンビネーション。

電線はYUAN TAI製のUL1007スタイルで統一。
各種ピンは全て金メッキが施されており、弄るとかえって効率悪化を招く恐れ。

誤解なきよう申し上げておく。
「1000W電源なんてナニに使うんだよ」 というご意見は核心をつかない
PC内部の要求電力分しか変換を行わないため、実情は1000Wも使わないからだ。
つまり、全く同じ構成部品のもと、500Wクラスの電源カツカツで回すのと比べれば、
相対的にオーバークロック時の安定性と変換効率で勝ることになる。
それは電源の容量(負荷率)に応じて、電源の能力が変動するため。
加えてプラチナ電源にすることでその変換効率は最大級。
お持ちの構成部品の総TDP値×1.5あたりを目安にしておく事を強くオススメする。
ATX電源の負荷率は常に50~75%になり、変換効率を最高地点に保てるためである。
ちなみに電源やグラボは海外輸入のほうが安く、代理店の暴利対象である事も補足しておく。

今回使用した各工具は以下に記す。
およそ値段の目安になれば幸いである。

使った工具はこちら。
VESSEL製ワイヤーストリッパー。
皮膜剥き専用は作業効率が上がります。
エンジニア製の精密圧着ペンチ。
18AWG以下用。
皮膜部分とより線部分を別々に圧着できるので便利。

 

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